ちっぽけな幸せを君に
 「ったく、余裕もって起きないからそうなるんだよ」


 悪態をつきながら俺は車を出し、駅へ向かい走り出す。


 車の中は俺の好きなグループのラブソングが控え目に流れている。


 「かずき、何で彼女つくんないの?」


 「は?」


 「だから、何で彼女作らないの?」


 「なんだよ、薮から棒に――」


 
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