ちっぽけな幸せを君に
 駅前のロータリーに入る直前で赤信号に止められた。


 「かずきカッコイイし性格も悪くないのに何でかなって……」


 「別に……理由なんてないよ」


 俺は嘘をついた。


 流歌が去ってから二年もたつとゆうのに相変わらず俺は忘れられずにいる。


 些細な事で流歌は俺の中に現れては甘美な時間に立ち返らせる。


 流歌が好きな歌だったり、芸能人だったり。きっかけに過ぎないのは自分でもわかっていた。


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