ちっぽけな幸せを君に
 きっかけが流歌を思い出させるわけじゃなくて――


 流歌を思い出す為にきっかけを捜している自分がいる。


 「ふーん……好きな人でもいるのかと思った」


 「……」


 信号が青になり俺はアクセルを踏み込んで駅前のロータリーに入った。


 車を道路脇につけ三人を捜して目を動かすと、すぐに見つかり早苗が窓を開けて手をふる。


 啓太が助手席に座り女性陣が後部座席に座り、俺はゆっくりと母校へ向かい車を走らせた。


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