ちっぽけな幸せを君に
 まるで俺の事なんて全く覚えてないかのように、女の子は視線もむけずに短く返事をした。


 「あ、覚えてない?今朝校門のとこで――」


 「覚えてます、そんなに記憶力がないように見えますか?」


 「い、いや、そうじゃないけどあんまりリアクションが薄いから覚えてないのかなって……」


 俺がそう言うと女の子は視線を俺に向けて短く言った。


 「今朝はどうも、次は遅刻見逃しませんから」


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