ちっぽけな幸せを君に
 そんな事が一限から四限で続いた。いい加減嫌気がさした俺は昼休みになるとすぐに教室から逃げるように出て、人の来なさそうな屋上に行き仰向けに寝転んだ。


 「ったく、いい加減にしろっての……」


 ぼやていた俺の耳にどこからともなく澄んだ声が届いて来た。


 「歌……か?」


 体を起こして周りを見回して見たが人影はなく、歌がどこから流れて来ているかわからなかった。


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