ちっぽけな幸せを君に
 歌菜と知り合ってから三ヶ月、俺は未だに『お姉ちゃん』に会った事がない。


 一度挨拶をと思い歌菜に頼んだ事があるが


 『だめ!お姉ちゃんすっごく美人だからかずきさん取られちゃうもん!』


 と言って断れた。


 俺も俺で、正直どんな顔をして会えばいいかわからないので、あえて強くは言わなかった。


 「そっか、みんなには私から言っといてあげる。じゃあまた電話するね」


 
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