ちっぽけな幸せを君に
 歌菜の家に着いた時、調度駐車場に軽自動車が車庫入れしている所だった。


 「あ、お姉ちゃんだ!」


 「え?そうなのか?ってゆうかなんでわかるんだ?」


 エンジンの音だよ。と歌菜は言って車を降りて覚束ない足取りで軽自動車に向かって行く。


 「歌菜っ!危ないって!」


 慌てて俺も車から降りて、歌菜の後を追いかける。


 思いがけない形での『お姉ちゃん』との顔合わせに、動揺しながら俺は歌菜の手を取ってゆっくりと車へ近付いて行く。


< 175 / 276 >

この作品をシェア

pagetop