ちっぽけな幸せを君に
 俺の背中から聞こえた声に、歌菜は慌てて俺から手を離して答える。


 「お帰り、お姉ちゃん」


 「ただいま。歌菜もお帰り。彼氏とじゃれるなとは言わないけど場所をわきまえなさい?」


 俺はゆっくりと振り返る。


 「かずきもね――」


 景色が右から左へと流れていく……



 「――か……」



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