ちっぽけな幸せを君に
 綾香の姿が2階に消えたと同時に、歌菜が俺に聞いた。


 「ああ、高校の同級生だよ」


 歌菜の反応からして、おそらく綾香は俺との事を話していないのだろう。


 まあ


 『歌菜の彼氏は昔私と付き合ってたの』


 なんて言えるはずもないか――


 すぐに階段から足音が聞こえて来て、綾香が着替えを済ませて戻ってくる。


 「歌菜、あなたも早く着替えて来なさい」


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