ちっぽけな幸せを君に
 「くそっ!!」


 携帯を助手席に投げるように置いて、綾香の家に向かい車を走らせた。




 「綾香!歌菜は!?」


 綾香の家の前に車を停めて、窓を開けて俺は家の前に立っていた綾香に怒鳴るように言った。


 綾香は首を横にふり今にも泣きだしそうな顔をする。


 「泣くな!泣いても何もならないだろ!乗れ!」


 綾香は唇を噛むようにして頷くと助手席に乗り込んだ。


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