ちっぽけな幸せを君に
 俺と歌菜はあまり出かける事をしなかった。


 歌菜の目の事もあり、殆どは家に居て音楽を聞いたりテレビを見たり。


 だから俺にある心辺りは一つだけ……



 俺と歌菜が初めて出会った場所――



 学校に着いた俺達は車を飛び降り、屋上へと駆け上がった。


 俺は屋上へ出るドアを蹴るように開ける。


 歌菜はそこに立って謳っていた。


 俺の脳裏にあの日の流歌が蘇る。


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