ちっぽけな幸せを君に
 「私は流歌さんみたいに強くないから……離れられないだろうな――」


 心なしか歌菜の言葉が不明瞭になって行く気がした。


 「かずきさん……私は流歌さんの代わりでもよかったんです――流歌さんの代わりならよかった……」


 「歌菜!それは違う!俺は流歌の代わりになんて――」


 必死に叫ぶ俺の言葉は歌菜には届かなかった。


 「でも……流歌さんの日記読んでわかったんです」


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