ちっぽけな幸せを君に
綾香の指差す場所、俺から見て歌菜の向こう側の足元。
「私の中に流歌さんを見るのなら――私はかずきさんにとって私は必要だって思える……」
小さな黒い斑点がいくつか見える。それは一秒に一つ程度の間隔で増えていく。
「でも違った……かずきさんの目はいつだって私の中の流歌さんじゃなくて、私の『向こう側』にいる流歌さんを見てた――」
俺は目を懲らして見る。その斑点は上から落ちてくる何かの雫だった。
「私の中に流歌さんを見るのなら――私はかずきさんにとって私は必要だって思える……」
小さな黒い斑点がいくつか見える。それは一秒に一つ程度の間隔で増えていく。
「でも違った……かずきさんの目はいつだって私の中の流歌さんじゃなくて、私の『向こう側』にいる流歌さんを見てた――」
俺は目を懲らして見る。その斑点は上から落ちてくる何かの雫だった。