ちっぽけな幸せを君に
 「同い年!?」


 どうみても三十近くにしか見えない――


 「そないに驚かんでも。こう見えてまだ二十三なんやで?まあよく驚かれるから慣れてるけどな」


 「そりゃ驚かれるだろうな……ん?あれ?何で俺の歳――」


 男は不敵な笑みを浮かべて俺の事を言い始めた。


 「時任 一稀、二十三歳、生まれは横浜。高校二年の春に東京に来て、K学園を卒業。IT関連の会社に就職するもニ年で辞職。そして今に至る」


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