ちっぽけな幸せを君に
 呆気に取られている俺に男はさりに告げる。


 「悪いなちょっと調べさせてもろた。最近この辺りで夜な夜な呑んだくれて暴れてるイケメン君が居るて聞いてな」


 「……」


 「あ、勘違いせんといてや?そっちの気はないからな、ただのスカウトや」


 男はそう言って一枚のチラシを取り出して俺の前に置いた。


 『INSTANT LOVER』


 一番上に大きく赤い字でそう印刷されている。


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