ちっぽけな幸せを君に
 その下には代表として名前が書かれている。


 『原田 和成』


 俺はチラシと男の顔を交互に見て尋ねた。


 「この原田って……」


 「ん?ああ、自己紹介まだやったな。そこに書いてある原田和成が俺の名前や、名目上代表てなってるけど別に上司ってわけやないで」


 原田はそう言いながら白い歯を覗かせて笑った。


 「まあ、組織っちゅうんはどうしてもまとめ役がいるからな、仕方なくしてるだけや」


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