ちっぽけな幸せを君に
 原田はチラシを裏返して、ボールペンで書きながら説明する。


 「そうや、初回無料にすれば満足した人間だけリターンがある。二回目以降は言い値て言うても基本料三千円と指名があれば指名料はもらう」


 一気に言い終えた原田は俺の顔を見て言った。


 「どや?働いてみいひんか?」


 「……俺?」


 驚いた顔をして自分を指差しながら言う俺に原田は呆れたように言った。


 「当たり前や、ほかに誰がおんねん」


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