ちっぽけな幸せを君に
 客との本気の恋愛は許可されるが、辞職が条件な事。


 全部言い終えた原田は最後につけ加えた。


 「それと……ここにおるやつらはみんな訳ありなやつらばっかりや、もちろん俺を含めてな。そやから過去を詮索するような真似は絶対誰もせん」


 原田はまるで俺の心を見透かしたように言う。


 「ただ想い続けるだけが好きって事とちゃうんやないか?それが悪いとは言わん、そやけどたまには自分を違う方向から見てみ」


 「違う方向……」


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