ちっぽけな幸せを君に
 原田は独り言のように言いながら、鞄の中からノートを取り出して広げた。


 「一週間後やと……おっ!調度ええ子がおるわ」


 おそらく予約を書いてあるノートなのだろう。原田はページを何枚かめくったところでそう言って俺にノートを見せた。


 「美雪……ですか?」


 「そや、今回が初めての子やから無料やな。初めて同士のほうがやりやすいやろ」


 「はぁ……」


 俺は気のない返事をしながらノートに目をやる。


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