ちっぽけな幸せを君に
 俺は体を反転させて仰向けになると、白い天井を見上げた。






 「歌菜!歌菜!」


 意識を失った歌菜の顔は土気色に変色していた。俺は歌菜を抱き抱えると、階段を降りて校舎を出た。


 それと同時に救急車が入って来て、歌菜は近くの救急病院へと運ばれた。


 一命を取り留めた歌菜に俺は別れを告げた。歌菜は何も言わずただ頷いた。


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