ちっぽけな幸せを君に
 あっという間に一週間が経ち、俺の初仕事の日が来た。


 「ま、そんなに難しく考えんでええから楽しんで来いや」


 原田はそう言って俺の背中を叩いて送り出した。


 待ち合わせ場所に着いたのは時間より30分も早かった。


 待たせるよりはいいか、などと考えながら俺は目印の白いハンカチを右手に持った。ちなみにこの目印は毎回違うらしい。


 「あの……かずきさんですか?」


 
< 239 / 276 >

この作品をシェア

pagetop