ちっぽけな幸せを君に
 「それは本人が気付いてなくてもな、例えば彼女がいる男を好きになった女の子とか――な」


 「そうですね……」


 「俺はな、それは誰が悪いわけやなくて、人間である以上きっとしゃあないと思うんや」


 原田はもう一口コーヒーを飲み、口を潤す。


 「そやけどな、それだけやないと思うんや。誰かを傷付けるだけやなくて、誰かを幸せにも出来る。それを出来るのにせん奴もおるけどな……」


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