ちっぽけな幸せを君に
 「あっ!忘れとった!かずき、夜までには帰るやろ?」


 「ああ、帰るけどなんかあるのか?」


 靴紐を結び終わり立ち上がると、中にいる和成に聞こえる様に大きめに返事をする。


 「なんや忘れたんか?今日は俺の誕生日やって言うたやろ」


 「忘れたも何も初耳だよ。まあ夕方までには帰ると思う。じゃあな」


 ドアを開けて外へ出る俺の背中に和成の声がぶつかった。


 「プレゼントよろしゅー!!」


< 249 / 276 >

この作品をシェア

pagetop