ちっぽけな幸せを君に
 「歌菜!ちょっと降りて来て!」


 居間に俺を通した綾香は2階への階段を見上げて歌菜に声をかける。


 すぐに足音がして歌菜が階段を覗き込みながら「なに?」と顔を出した。


 「いいからちょっと降りて来て」


 「もー、降りるの大変なんだよ?」


 歌菜はぶつぶつ言いながらも階段を一歩ずつ降りて来て居間に入って来た。


 「……誰か居るの?」


 俺の気配を感じたのか歌菜は不思議そうな顔をして呟いた。


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