ちっぽけな幸せを君に
 「ただいまー」


 「おう、帰ってきたか。ちょうどよかったわ」


 帰ってきた俺を和成がニヤニヤして迎えながら言った。


 「なんだニヤニヤして、気持ち悪いな」


 「お前にべっぴんのお客さんや、すみに置けんやっちゃなー」


 このこの、と和成が肘で俺を突きながら言う。


 「なんなんだ?」


 俺は首を傾げながら靴を脱いでリビングへと向かった。


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