ちっぽけな幸せを君に
 リビングのドアを開けて中へ入ると同時に何かが俺に飛び付いて来た。


 「うわっ!!」


 「せーんぱい!!」


 俺に飛び付いてきた何かは言いながら顔を胸に押し付けて来る。


 「な、なんだ?誰だ?」


 「誰だって……ひどーい!私を忘れたんですかぁ?」


 顔を俺の胸から離して何かは言う。


 「な、薺?」


 「あったりー!先輩急に会社辞めていなくなっちゃうんだもん、捜しましたよ」


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