ちっぽけな幸せを君に
 「失礼します。料理の方をお持ちしてよろしいでしょうか?」


 全員揃ったのを見はからって店員が声をかけてくる。


 「あ、悪い。一人増えたんや、料理はもう一人来るまで待っ――」


 「遅くなってごめんなさい!」


 和成の言葉に俺の背後から声が重なる。


 「かまへんかまへん、調度今から始めるとこや」


 俺がその声を聞き間違うはずもなく――


 「かずきは初めてやったよな?俺の彼女の霞……」


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