ちっぽけな幸せを君に
 「流歌――」


 「かずき――」


 振り返った俺の声が和成の言葉に重なり、さらに流歌の声が重なった。




 それはあまりにも唐突で――


 あまりにも残酷な再会だった――




 「なんや知り合いやったんか?」


 和成のその言葉は俺の耳には届かなかった。おそらく流歌の耳にも――


 凍り付いた空気は空気を振動させる事はさせず。そこには俺と流歌しか居なかった……


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