ちっぽけな幸せを君に
 「母さん……」


 限界――

 限界だった……

 精神的にも肉体的にも

 俺は限界だった

 だから――



 俺は立ち上がると台所へ行き、戸棚から包丁を取り出すと父親に言った。


 「お前さ……もう死んでくれよ――」




 
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