ちっぽけな幸せを君に
差し出された流歌の手は雨に濡れて冷たかった。
「あなたのお母さんが助けたかったのはきっとあなた自身――」
「……俺?」
流歌に引っ張られるように俺は立ち上がり、手を伸ばせば抱きしめられそうな程距離を縮めた。
「そう――あなた自身……」
この時の俺には流歌の言いたい事がわからなかった。
「あなたのお母さんが助けたかったのはきっとあなた自身――」
「……俺?」
流歌に引っ張られるように俺は立ち上がり、手を伸ばせば抱きしめられそうな程距離を縮めた。
「そう――あなた自身……」
この時の俺には流歌の言いたい事がわからなかった。