ちっぽけな幸せを君に
 親父を殺そうとした俺の前に割って入り命を落とした母さん――


 それを俺の為だと言う流歌――


 母さんと行動と


 流歌の言葉


 その意味を理解出来たのはさらに時間と『……』を失ってからだった。





 いつの間にか雨が止んだ空に虹がかかり、待ちわびたとばかりに鳥が羽ばたく。


 流歌は体を反転させるとフェンスまで歩いてから振り向いた。


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