ちっぽけな幸せを君に
 「頼むから……もうやめてくれ――」


 「私はっ……」


 「流歌っ!!」


 「うっ……うぅ、ひぐっ……」


 泣きじゃくる流歌の体から力が抜け、俺の腕に体重がかかる。それはやっぱり弱く小さい女の子のそれで――


 「流歌?歌……謳ってくれよ――俺だけの為に……」


 泣きながら流歌は頷いた。


 何度も――


 何度も――


 「俺がずっと支えるから……だからずっと俺の傍で――」


 謳い続けてくれよな――


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