ちっぽけな幸せを君に
 まず一つ目。


 ある雨の日の朝の話し――


 朝起きた俺は隣で寝ていたはずの流歌がいない事に気付いて、部屋を見渡した。


 「流歌?」


 「んっ……」


 姿は見えず声だけが聞こえる。


 「おはよ……」


 眠そうな目を擦りながら流歌はベットの下から顔をだした。


 「流歌……寝相悪いな――」


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