ちっぽけな幸せを君に
 「うわぁぁぁぁ!!」


 暖かい春の陽射しが窓から差し込み、鳥のさえずりが耳に届く。


 「また……あの夢か――」



 あの日から一年、俺はあえて地元から離れた高校に編入し一人暮しを始めた。


 「もう一年だぜ……勘弁してくれよ――」


 ぼやきながら時計に目をやるとちょうど8時。


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