ちっぽけな幸せを君に
 「汚いわけないだろ?凄く綺麗だよ……」


 思わず息を呑んでしまうほど――


 「ありがとう……大好きだよ――」


 そうゆうと流歌は体を倒し唇をそっと重ねた。


 「家を出た私は施設に預けられた。母は去り際に『ごめんね』って呟いた……それが母の最後の言葉だったわ」


 「最後?」


 「そう――私を施設に預けた母はその足で家に戻り……義父をナイフで刺して自殺したの」


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