ちっぽけな幸せを君に
 「うわぁぁぁぁ!遅刻する!!」


 跳び起きた俺は制服に急いで着替えると、馴れないネクタイを掴んで家を飛び出した。



 ジリリリリリ


 校門が見えたと同時に予鈴が鳴り、生徒が門を閉め始める。


 「ちょ、ちょっと待ったー!!」


 俺は閉まる寸前で校門の隙間に滑り込んで両手を横に水平に上げて叫んだ。


 「セーフ!!!」


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