不器用恋愛。
「でもね!!」
…でも、なんだよ?
別に、俺のいいとこ言ってフォローなんてしなくていいんだけど?
…つかフォローすんなら、さっきみたいにでけぇ声で言えよ!!
なんで、耳打ちしてんだよ!!
「――慶ちゃん!?慶ちゃん!?シカトしてんぢゃねーよ!!」
『あ゙ぁ? その呼び方で呼ぶな馬鹿!』
俺がそう言った時、蓮と連れの女が笑った。
「ねっ?」と蓮が言ったのに女はコクコク頷いてやがる。
あ゙ーっ!!
『何がだよ!』
そう言いながら、蓮を睨む。
「まぁ、まぁ、いいからこっち来い!」
しつけぇ…、
でも、ここでシカトしても、強情なあいつは俺が、あっちに行くまでずっとあの呼び方で俺を呼ぶだろう…。
『チッ…しょーがねぇな』
俺は蓮とその連れの女がいる所に近付いた。