不器用恋愛。
「……手、」
「………は?」
「退けろ、はげ」
「…お前、最高だよ。ほんと」
気色悪い事言ったと思ったら、ニヤリと不気味に笑いやがった。
てか、一向に手離さないし!
「..ちょ、痛い!!馬鹿離せ!!」
コイツっ!!
あたしのほっぺ摘むとは、良い度胸!!
しかも両手!
変な顔になるじゃない!ありえない!!
「ほんと、憎たらしい女――」
――パッ
フっと鼻で笑ってそう言ったと同時に、あたしの頬が開放される。
何故か、あたしは何も言い返せなくて
そのまま「じゃあな、生意気女」って捨て台詞吐いた無愛想(だったはずの)男を、
――何故か憎めないあたしがいる。