となりには早川さん
始まりは夢
とても妙な夢をみた。
夢の中で僕は目を覚まし、ふとベットの脇を見た。するとそこでは二人の男が焼肉パーティーをしているのだ。
しかも、聞くところによると二人は神様らしい。
一人は小太りのおっさん。
もう一人は痩せているおじいさん。
その神様達が肉を焼き、食べているのを眺めながら、僕は何かが気になっていた。
しかし思い出せないのだ。
「おい、坊主」
「はい?なんでしょう?」
「日の光が眩しいな…」
小太りがそんなことを言い出すので、僕はベットから出てカーテンを閉めに行った。
そこで、だ!
「そう言えば神さ……えっ」
神様は僕がカーテンを閉める一瞬の間に居なくなっていた。
やけにリアルな夢で寝ぼけたのか、起きた時にはなぜかカーテンの隣にいた。
「やれやれ。」
どっこらしょ、と立ち上がり部屋を出ようとした足に、むにゅっとした感触がする。
全身に鳥肌がたつ。
足元を見ると、その正体は生肉であった。
「………………へっ!?」
あれは夢だった。
でも肉はある。
この事が早川さんとの出会いの前触れだとは、この頃はまだ知らなかった。