街角の空 君の歌
冷たい風が顔に直撃する。



そんなことは関係ない、



あたしは必死になって、その音を探す。




何故かその音色に心がキュンとしている。





そして音が大きくなった。






目の前には、男の人が路上ライブをしている。





人は3人しかいないものの、



男の人の魅力を確かに感じている人だけの空間が、



作り出されているようだ。





あたしも3人の中に入り、目をつむった。





自分で作った歌だろうか。




透き通るような透明な声。



柔らかい音色。



人間くさい歌詞。







あたしの邦楽ロックに洗脳させられた頭が、




柔らかくなっているようだ。








音が止まり、目を開ける。





「ありがとうございます。」



男の人は頭を下げた。



4人の拍手に何回も頭を下げている。




頭を上げた男の人と目が合った。




あたしは胸がギュッと捕まれたような感覚に陥る。




綺麗な目。


吸い込まれそうとは、この事を言うのかな?
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