神と人間と使い魔の伝説
(エレン…エレン、どこ)

走っても走ってもいない

探してもいない。

ルカは焦りに焦った

最悪な想像が頭に過ぎる

それを否定するように頭を振り、息を切らしながら走る

地獄の道を一人で走っている見たいに…


その時、気配がした

人ではなく人ではない《なにか》


そう、《それ》はルカの目の前に現れたのだ。

黒い…漆黒の《なにか》

人のように見えるが違う、なにか

そして、怪しく、赤い光がルカを《見る》

ただの視線ではない。

全てを見透かされたような恐ろしい視線

(なに…これ。)

ルカは助けを呼ぶために声を出そうとしたが、声帯の機能が停止したように声がでない

かすれた息が漏れるだけ

それどころか体全体が動かない

その時、火球が何処からか物凄い勢いで飛んできて《それ》にぶつかった
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