神と人間と使い魔の伝説
辺りが真っ暗な闇

松明の光がぼんやりと辺りを照らしているだけの階段が続く

(どこまでおちたんだろう…ふぇぇ、お化けが出そうで怖いなぁ…)

ルカは一歩一歩階段を下りていく

すると、階段より明るい光がちらついていた

どうやら一番下まで来てしまったようだ

(あれ…!)

その一番下の部屋の入り口にキラリと光る

「よかったぁ、あった」

ルカは魔術を解き、声を上げる

手の平に大切な時計が乗る

「…はやく戻らなきゃ」

とルカが階段に足を掛けたその時だった

『ここまで来て部屋に入ろうとはせぬのか?』

声が頭に響いた

「だれ…?まさか…ばれた」

ルカは恐る恐る部屋を見ると、そこにはただ広い部屋にぽつりと石版らしきものがあった

ルカは拍子抜けて部屋に足を踏み入れた


「石版…だね。本格的な…」

ルカは小さく呟き、指で触れる

(さっきの声は何だったんだろう…)

と考えながら刻まれた文字を指でなぞる

「『悲しみの姫、ここに眠らん。
《彼》の感情の一つをこの姫に託した
いつか使役せし者が現れたときは…』ここからよめないや」

と読み上げた

『ほう、古代語を解読できるとは、ヒヨッコの魔術師にしてはやるな』

背後からまた響いた

こんどは肉声に近い声だった

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