さよなら

「ゆうちゃん?!」


「あははっ…ごめんなさい。なんか涙がでてきちゃった…」


泣きながら一生懸命笑顔を作って見せようとしてくれる君。


嬉しくて


嬉しくて




愛しかった…。




「…ありがとう。」



触れたくなった。

って下心みたいだけど、そうじゃなくて…

なんて言ったらいいかわからない気持ちに心が征服されてるっていうのかな…



とにかくドキドキして

手から…頬から…

このドキドキが伝わってしまわないか


なんて思ってしまった。


女の子みたいかな。





((キーンコーンカーンコーン))



チャイムがなった。

もう、この幸せな時間はお終い。

次の授業が始まってしまう。

ゆうちゃんを、ボーっと見ているとパッと目をそらされてしまった。

見すぎだったかな…?

それにしても、ゆうちゃんの顔は真っ赤。

あー、自分もそうなってたらカッコ悪いな…。

それにしても、そんな顔を見せたくないのか顔を伏せてるゆうちゃん。

可愛いなぁ。

思わずちょっと笑ってしまった。



「ほらっ二年生は授業でしょ?」


「はっはい…先輩ほんとおめでとうございます!」

「ありがとう。じゃあ、また」

「はい、今日の放課後に…」


 


気づいてしまった。

自分の気持ちに…。

あー、恋なんてしないと思っていたのに。



いじめられっこが恋をするなんて…


笑い者かな。



でも、もう止められない。




ゆうちゃんが、好きだ。
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