さよなら
「お前、最近女といるよな~」
「あの子、二年の如月ゆうちゃんだっけ?」
「なんでそれをっ?!」
「あの子結構可愛いよな~」
「やめろっ!アノ子は関係ないだろ!」
「何、ムキになってんだよ」
ドンッ
「おい、あっち連れてけ」
手をひっぱられて、校舎裏に連れてかれた。
鞄から財布を抜き取られ、入ってる金を全部とられるとストレスを発散するかのように殴られ、蹴られ、踏まれる。
痛いし、辛い。
飛び交う罵声に心を痛めないわけはない。
コイツらに目をつけられて、友達もいなくなった。
やっと出来た大切な人。
守りたい。
その為なら何でも我慢してやる。
また意識を手放しそうなときだった。
「なにやってんだよ!!!」
「あぁ?」
「なにやってんだって言ってんだよ。」
「っ!おい!やべーぞ、佐川だ!」
「行くぞ!!」
えっ…?
一気に奴等が散った。
痛む体を起こすと慌てたように走っていくのが遠めに見えた。
「…大丈夫っすか?」
「あっ、ありがとう。」
さし伸ばされた手を掴みゆっくりと立ち上がると、目の前にいたのは佐川くんだった。