さよなら

「えヘへ~~だって、聞いてよさーちゃん!」


「なに?」


歩きながら話してるんだけど、足どりが軽くてしょうがない。

昨日の夜も嬉しくってテンションがあがってしまって、なかなか寝付けなかった。



「今日、卒業式終わった慧先輩があたしに大事な話があるんだって!」

「華原くんが?」

「うん!」

「へぇ~華原先輩がね~」


後ろから聞こえる低い声。

この声は…


「拓ちゃん!」


「おはよ」


「なにかなぁ~?気になってしょうがないの♪」

「お前、なに?朝からのろけかよ?」


「違うよ~でもね!それ言う時、ギュッってしてくれたの!
 
 も~あたし、気になって眠れなかった!」


「なんか、ゆうが恋する乙女って感じ?」


「何言われるのか、なんてわかんなくね?」





二人の言葉が、右から入って左からでていく感じ。


もう、顔がヘラヘラしてしまってしょうがない。


卒業式が終わったら・・・慧先輩何を言うんだろう?


でも、あたしも家で伝えなくちゃいけない。


慧先輩の話を聞いたら伝えよう









慧先輩が大好きだって____
< 28 / 29 >

この作品をシェア

pagetop