さよなら
「えヘへ~~だって、聞いてよさーちゃん!」
「なに?」
歩きながら話してるんだけど、足どりが軽くてしょうがない。
昨日の夜も嬉しくってテンションがあがってしまって、なかなか寝付けなかった。
「今日、卒業式終わった慧先輩があたしに大事な話があるんだって!」
「華原くんが?」
「うん!」
「へぇ~華原先輩がね~」
後ろから聞こえる低い声。
この声は…
「拓ちゃん!」
「おはよ」
「なにかなぁ~?気になってしょうがないの♪」
「お前、なに?朝からのろけかよ?」
「違うよ~でもね!それ言う時、ギュッってしてくれたの!
も~あたし、気になって眠れなかった!」
「なんか、ゆうが恋する乙女って感じ?」
「何言われるのか、なんてわかんなくね?」
二人の言葉が、右から入って左からでていく感じ。
もう、顔がヘラヘラしてしまってしょうがない。
卒業式が終わったら・・・慧先輩何を言うんだろう?
でも、あたしも家で伝えなくちゃいけない。
慧先輩の話を聞いたら伝えよう
慧先輩が大好きだって____