さよなら

「ゆう、彼氏作ればいいのに。」

「さーちゃん、簡単にできるものならあたしだって苦労はしませんよぉーだ」

「好きな人いるの?」

「…いない。」

「苦労すらしてないじゃんっ」


…はい。

そうです。

好きな人すらいない。気になる人もゼロ。

寂しすぎる。

けど、無理矢理作るものじゃないもんね!

うんうん!


「何一人でうなづいてるの~!」


横を見ると、さーちゃんがおかしそうに口を押さえて笑ってた。

さーちゃんの笑顔をみると、なんだか元気がでる。

「笑わないでよ~」っていいながら一緒に笑った。

きっと優(まさる)先輩も、そうなんじゃないかなぁ~

優先輩は、さーちゃんの彼氏で野球部の元主将。

スポーツ推薦で県内では名の高い大学に入学が決まっていて、さわやかな笑顔がとっても
カッコいいって女子の中でも評判高いんだ♪

だから、ファンがとっても多い!

けど、さーちゃんも男子の中で大人気!

美人生徒会副会長と言ったら、さーちゃんのこと♪

要するに二人は、この学校の美男美女カップルなんだ。



「おはよう。」


そんなことを考えていると、目の前に優先輩!

「おはようございます!」

「おはよう、今日は練習に顔出してないの?」

「うん」


かっこいい優先輩とさーちゃんと一緒に登校もあと少し。

こんな時間も大切にしなくちゃなぁ。
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