さよなら
2.先輩とあたし
それから、あたしは毎日音楽室に通うようになった。
慧先輩も、初めは『如月さん』って呼んでいたけど最近は『ゆうちゃん』って呼んでくれる。
次第に仲良くなっていくのを実感したようで嬉しい。
加奈達には、自分から先輩に話しかけたとか恥ずかしくて言えなくて委員会とか適当な嘘をついて先輩のところへ行った。
音楽室にいる間は何だか特別で・・・家よりも落ち着けていたかもしれない。
まるでまったく違う空間にきたような気さえするんだ。
最終下校時間になると校門まで一緒に帰る。
先輩と一緒の方向だったらよかったのに…。
朝、今日もさーちゃんと登校。
「…ゆう、最近放課後四階にいるよね?」
「うっうん。」
なんでさーちゃんそのことを?
「そんで、音楽室にいるでしょ?」
「えっ?なんで?」
なんで?なんで?
わーどうしよう…テンぱってしまう。
「最近、四階の資料室よく使うんだよね」
「そっかぁ…」
「で、どうなの?なにしてるの?」
「実はね…」