こちら新宿中央署刑事課
第3章
   3
 坂野は藤野と一緒に署内の階段を下りる。


 三階から地下二階まで結構あるのだが、ここで鑑識の小笠原の照合した指紋を見ておかないと、後々の捜査が行詰まるのだ。


 第一、容疑者は古河村比呂氏と内多しか上がっていない。


 捜査線上に二人のマル被がいて、永嶋雄一朗偽装自殺事件は引き起こされたのだ。


 それに前島実業内での人間関係も洗いたかった。


 営業本部で主任を務める永嶋がなぜ偽装自殺で処理されたのか……?


 おまけに三箇日という空白の三日間は行方不明だった。


 坂野は地下の鑑識係に入っていくと、


「おう、お疲れ」


 と小笠原に声を掛ける。


「ああ、サカさん。それに藤野巡査部長まで」


「もしかして、小笠原さんって藤野とは面識があまりないの?」
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