こちら新宿中央署刑事課
第2章
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「おはよう」
「おはようございます」
岩永が朝の挨拶をしてきたので、坂野が返す。
「サカさん、今日は一月四日で仕事始めだけど、今年もしっかり頑張ってくれよ」
「ええ。警部補もご承知でしょうけど、私もいずれ昇進試験受けたいものですから」
坂野がそう言って笑った。
所轄の巡査部長は主任で、警部補になれば係長の肩書きが付くからだ。
誰もが警察社会に入ってきた以上、出世を望んでいる。
坂野も例外なしに、そんな警官の一人だった。
「何かきつい一年になりそうですね。年初からいきなり、自殺に見せかけた他殺事件が発生してるんですから」
「うん。だけどね、俺はあの前島実業って会社を徹底して洗い出す必要があると思う。特に屋上の手すりに指紋がべったり付いてた古河村比呂氏って専務さんをね」
「おはよう」
「おはようございます」
岩永が朝の挨拶をしてきたので、坂野が返す。
「サカさん、今日は一月四日で仕事始めだけど、今年もしっかり頑張ってくれよ」
「ええ。警部補もご承知でしょうけど、私もいずれ昇進試験受けたいものですから」
坂野がそう言って笑った。
所轄の巡査部長は主任で、警部補になれば係長の肩書きが付くからだ。
誰もが警察社会に入ってきた以上、出世を望んでいる。
坂野も例外なしに、そんな警官の一人だった。
「何かきつい一年になりそうですね。年初からいきなり、自殺に見せかけた他殺事件が発生してるんですから」
「うん。だけどね、俺はあの前島実業って会社を徹底して洗い出す必要があると思う。特に屋上の手すりに指紋がべったり付いてた古河村比呂氏って専務さんをね」