電波恋愛
その後何曲か歌い、あっと言う間に楽しい時間は過ぎていった。

プルルルルルルル―――。

終わりの音が鳴り響く。

会計を済ませ、外へ出る。

「んじゃ帰っか~」

「そうだね」

「ごめん、私帰り道反対方向だっ。じゃあまた明日ね!」

美優は反対らしい。

「おう。じゃーな」

「またね!」

別れの挨拶をし、蓮と二人で歩き出す。

二人供疲れたのかあまり会話がない。

いつも明るい蓮だからなんだか不安になる…。

「明日先生に怒られちゃうかな?」

私は沈黙に耐え切れず話を振る。

「怒られるだろうなー」

「三人一緒なら怖くないけどね♪」

「そうだな」

蓮はクスッと笑い…また沈黙。

帰り道がやけに長く感じる。

「あ、俺今日親いねぇからコンビニ寄ってくけど一緒に行くか?」

沈黙が続くなんて耐えられる自信がない…。

「ごめん。今日は早く帰んなきゃなんだぁ」

私は軽い嘘をつく。

こんなの無理矢理だって思うけど。

「そっか…じゃあこのまま帰るか?」

「うんっ」

「送ってやれなくてごめんな?んじゃまたな」

「ばいばい!蓮も気を付けてね!」

…なんだか罪悪感。

そんな気持ちを抱えながら家に帰る。

「ただいまぁー」

疲れきった声が家に響き渡った。
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